受賞作品
グランプリ
ナトリウム灯が全て隠す2024年 910×727
濱田 楓
会長賞
太陽を食べ合う2025年 910×1,167
高橋 周平
審査員特別賞
拓く2024年 500×650
松井朋未
岡部憲明アーキテクチャーネットワーク賞
夜の光2024年 455×530
藤田 遼子
三菱地所レジデンス賞
日が暮れるのを待つ2024年 910×910
劉 毅
メック・デザイン・インターナショナル賞
悪戯2023年 910×1,167
周 麗娜
若築建設賞
息もつまるほどの幸せ2024年 455×530
菅澤 薫
三菱地所レジデンス特別賞
カーテン2023年 910×1,167
長嶺 高文
入選者(50音順)(50音順)
石渡由菜、江原梨沙子、大城舞華 、大杉祥子、大髙杏、大竹奨次郎、大塚里菜 、岡村海王 、果無、金佳辰、貞益未菜、佐藤菜子、塩路直哉、進藤有輝 、瀨川紗帆、添田朋恵 、鄭由梨、西岡紀子 、八田亜美 、濱渦七海、ヒガシモリナオ 、福濱美志保、藤田遼子 、ホリグチシンゴ、松田唯、松本悠、山内麻美 、憂香、吉井宏平、吉浦眞琴、若林いぶき、HAOGENG PAN、houkoh
指名コンペ部門 三菱地所レジデンス特別賞(50音順)
長嶺高文
審査員のコメント
協賛企業様のコメント
岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表取締役 岡部憲明様
作品名:夜の光
ここで過ごされる皆さんが心の安らぎを感じられるようなアート作品が展示されており、この空間にも非常に調和しています。
三菱地所レジデンス株式会社執行役員 投資アセット企画開発部長 渡辺 昌之様
作品名:日が暮れるのを待つ
この作品は現実と夢の境界が曖昧で、初めてこの作品を見た時から非常に印象深いものです。受賞おめでとうございます。
株式会社メック・デザイン・インターナショナル取締役 取締役常務執行役員 田中 正祥様
作品名:悪戯
全体的な色使いがこの空間に非常に合っているだけでなく、作品のテーマである草食動物と肉食動物の調和と共存も見事に表現されています。鳥獣戯画をモチーフにしており、眺めていると自然と楽しく明るい気持ちになります。
若築建設株式会社副支店⾧ 日下部建人様
作品名:息もつまるほどの幸せ
私が一番気に入ったのは、黄色を基調にした色鮮やかな絵です。この絵が建物に飾られると、空間がパッと明るくなります。入居される方々が広い我が家からこのホームに入ってくる際、息が詰まるように感じることもあるかもしれませんが、『息も詰まるほどの幸せ』というタイトルが、その気持ちにぴったり合っていて、入居後も幸せな気持ちで過ごしていただけるのではないかと感じました。
授賞式の様子
作品展
石田 尚志多摩美術大学 教授
このコンペティションの審査に参加出来て幸いだった。
授賞式が行われた新しい老人ホームで実際に選出された絵が展示されているのをみて、そう思ったのだ。
ここで働くスタッフや建物とともに、これら絵がご入居者様を迎えいれるのだ。なんと豊かなことだろう。
このコンペディションには、絵と空間と人との幸せな出会いがある。
審査にあたっては、老人ホームに置かれるということを強く意識することは無かった。しかし選出された作品を改めて見た時に、作家が必死に描いた絵の力は、その若々しいエネルギーがストレートにこの空間に響いていると感じた。
上手い下手ではなく、絵を描く喜びや驚きが力である。
驚きは自分を超えてしまう何かだ。自分自身のためであると同時に、その力がここで生活される方々の力にもなるのだ。
豊嶋 康子東京造形大学 教授
実は私は、いわゆる「絵画」に対して少し斜めに構えている。特に抽象絵画は、ある程度以上の水準に達していないと、どれも似通って見えてしまう傾向があるからだ。「この時代に生まれ育ち、なぜこの絵を描いたのだろうか」「なぜこの表現方法を選んだのだろうか」といったよくある問いに対して、いくつかの要素間の関係性を繋げて考察することはできる。今回の応募作品を検討する際もその点を確認した。
しかし同時に、別の角度からこれらの作品を見ることもできた。これから入居する人々が目にするであろう空間に展示された状態を想像して改めて見ると、その作品はまるで生き物のような存在感を放ち、まったく異なる脈絡を帯びることに気づかされた。
表彰式で実際に複数名の作者と話すうちに、彼らが先行作家と同じ問題をただ踏襲しているのではなく、個々の日常と表現への欲求が自然に結びついていることも感じ取れた。展示された作品は、作者の日常生活の中では満たされない欲求が、観る側の日常にふと共鳴する接点となるはずだ。表現する側の切実な思いが、逆説的に観る側の世界の幅を押し広げる力を持つように感じた。