森下 明音

森下 明音

種別
平面
作品素材
パネルに麻袋、麻紐、漆喰、有機石灰、砂、土、卵黄、酢
製作年
2024年
コンセプト
絵画制作の際に使用するマテリアルを、コントロールしきれず、成り行きで出来てしまった現象に対して反応していくといった方法で制作している。また、芸術のあり方については、知識人だけのものでなく、質は保ったまま、文脈を知らない人々にも鑑賞できるようなあり方を考えている。絵画のために制作するのではなく、生活していくことと向き合いながら、その延長で絵画制作を試みている。今回は古典技法である、フレスコとテンペラ技法により描いている。自ら採取した土から顔料を作り、フレスコと卵黄テンペラの混合技法により画面に定着させている。画布には、地元のもやし工場で廃棄される麻袋を無料で頂き、それを切り開き、ダーニングというヨーロッパの衣類などの修繕方法により縫い合わせたものを使用した。図案のインスピレーションは、冬から春に季節が変わる際に自身の身体で感じた感覚が発端となっている。気温の上昇に伴い、植物が芽吹き、自身の身体も細胞分裂を起こして活発になっている感覚があり、幾何学的なイメージが浮かんだ。エッシャーのタイルのようなイメージが念頭にありつつ、念密な計算によってではなく、森の風景が偶発的に形成していくように、即興的に図案を描いていった。下地のマチエールの性質状、線を長く引くことが難しいため、画面が大きくなるにつれて、部分の集積により全体が出来上がるといった方法になった。それは、「森」というものを見るとき、私たちは木々を見ているのであり、「森」そのものを見ることはできないことに似ている。森と絵画に共通しているのは、細部の情報が視覚的喜びをもたらすという点である。山間部に移住して気づいたのは、都市に比べて、五感で感じる情報量が多いということである。山の起伏や空のグラデーション、小さく揺れる葉の重なりなどが常に視界に入っていると、本能的な喜びや安心感を得られるように思う。工業化により失われていった「マテリアルへの欲望」に対する懐古的態度が現れているように思う。

ARTIST PROFILE

森下 明音

2014年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了

【主なグループ展】
2023年 からはな百貨店にひそむ絵 量り売りからはな百貨店(大分)
2018年 VOCA 2018 上野の森美術館(東京)
2016年 Identity XII ? 崇高のための覚書 ―curated by Taro Amano― nca | nichido contemporary art(東京)
2015年 わたしのカラダ わたしのemo 京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA(京都)
2015年 PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 特別連携プログラム/京芸 Transmit
      Program #6 still moving 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都)
2014年 アートアワードトーキョー丸の内 行幸地下ギャラリー(東京)

アーティストの詳細

LOCATION

チャームスイート旗の台

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